平成7年1月に発生した兵庫県南部地震以後,ライフラインとしての水道施設の耐震性強化は,水道界共通の重大な課題として取り組まれるようになりました。そのような状況の中で,可とう性のあるポリエチレン管が配水管路として注目され,これを機会に配水管材として検討されるようになりました。しかしながら,一部の水道事業者におかれましては,これまで使用したポリエチレン管が,亀裂などの事故を発生したこともあり,ポリエチレン管を採用することへの様々な疑問の声もありました。
このような状況の中,本協会の工務常設調査委員会では,水道配水用ポリエチレン管・継手の日本水道協会規格化に当たり,これらの問題に応えるため,「水道配水用ポリエチレン管・継手に関する調査及び規格制定専門委員会」を設置して配水システムの構成要素としての適合性も踏まえて調査・研究を行いました。
「水道配水用ポリエチレン管・継手に関する調査報告書」は,平成9年12月2日開催の第129回工務常設調査委員会に報告したものを要約し,作成したものです。
今後,全国の水道事業者が水道配水用ポリエチレン管を採用する場合に,それぞれの地域にふさわしい適切な水道施設の構築のための資料として本調査報告書をご利用いただければ幸いです。
目次
1. 調査報告書作成の経緯
2. 調査項目
2.1 管用材料としてのポリエチレン樹脂の歴史と現状について
2.2 水道配水用ポリエチレン管と給水管,バルブ類,他種管(ダクタイル鋳鉄管,鋼管,硬質塩化ビニル管)などとの接続方法及びその治具・工具類について
2.3 配水管施工時におけるEF接合方法の問題点と解決手段について
2.4 ポリエチレン管の耐震性について
2.5 ポリエチレン管の表面傷の影響について
2.6 管厚設計に対する考え方について
2.7 有機溶剤の浸透挙動について
問合せ先:工務部規格課
kikaku@jwwa.or.jp |