東日本大震災から10年の歩み
秋田県支部 事例紹介
①風力発電所及び蓄電池設備_秋田国見山風力発電株式会社(秋田市・H27年度整備)
本市の給水量の17%を担う豊岩浄水場では、東日本大震災時の長時間停電を教訓に、自家用発電機の整備に加え、民間事業者が売電を目的に計画していた秋田国見山第二風力発電事業に出資し、停電した場合であっても風力発電事業の蓄電池から無償で受電できる体制を日本で初めて構築しました。風力発電の電力は、蓄電池を経由して送電されています。浄水場の機能維持に必要な電力量は最大で600kwh程度であるのに対して、蓄電池の容量は5,760kwhであることから、仮に蓄電池の充電量が7割程度であれば、7時間程度の連続運転が可能です。
また、風力発電(4基)の発電量は7,480kwhであり、風速5.0m/秒以上であれば機能維持に必要な電力量が常に発電されることになります。
②緊急貯水槽(秋田市・H8、H27~29年度整備)
東日本大震災クラスの地震が発生し水道施設に被害を受けた場合、初期段階では、給水車や人員数が制限される中での応急給水活動となり、断水した全ての施設等に対して給水活動を行うことは困難と想定されます。このため、生命維持に必要とされる一人一日当たり3リットルの飲料水を確保することを目的として津波浸水被害を受ける地域の住民が避難する避難所等(津波浸水想定区域外)に「緊急貯水槽」を設置しています。
また、応急給水の全てを上下水道局が行う「公助」のみではなく、地域住民が助け合う「共助」の広がりを目指し、出前講座などにより、積極的に学校関係者や町内会などへ緊急貯水槽の仕組みの説明の機会を設けています。
H8:1施設(100㎥)、H27~29:3施設(40㎥)
③応急給水栓(秋田市・H26年度~継続中)
東日本大震災クラスの地震が発生し水道施設に被害を受けた場合、初期段階では、給水車や人員数が制限される中での応急給水活動となり、断水した全ての施設等に対して給水活動を行うことは困難と予想されます。このため、概ね1km圏内で市民が徒歩により飲料水を確保できるように小中学校などの避難所に「応急給水栓」を設置しています。
応急給水の全てを上下水道局が行う「公助」のみではなく、地域住民が助け合う「共助」の広がりを目指し、出前講座などにより、積極的に学校関係者や町内会などへ応急給水栓の使い方の説明や使用体験の機会を設けています。
H26~R2:35施設
④非常用予備発電装置_中山取水場(大館市・H24年度整備)
大館市では、市民のみなさまの水の不便が最小限になるよう、大規模停電や自然災害に強い水道づくりを目指します。
そのために、水道のライフライン確保のため、停電時における断水防止対策として、安定供給を行うための、非常用予備発電装置です。
⑤加圧式給水タンク車(大仙市・R2年度整備)
断水を伴う大規模な災害や漏水事故に対応するため、「加圧式給水タンク車」を配備しました。加圧式ポンプが搭載されているため、高所に設置されている受水槽への給水が可能となるほか、他市町村への応援給水及び被災地支援を行うことができます。
⑥非常用発電機(横手市・H23~H30年度整備)
震災時長時間にわたって停電になったことにより、「水を作れない」「水を送れない」などの問題が発生し断水となり、市民の方々にご迷惑と不安を与えました。
このことから、非常用発電機を設置していなかった浄水場や配水ポンプ場に非常用発電機を5基設置したことにより、災害時でも安定した水を供給できるようになりました。